まんが日和

漂流教室 (1) (小学館文庫)

漂流教室 (1) (小学館文庫)

漂流教室」  現代に生きる皆々様へ 警告

この作品はいろいろなところでさんざ賞賛されてきたものだということはわかりきっている。しかし、いいものはいい、と知っているだけではいけないのである。警告しよう。読まなければ未来はない。あるいはすでに未来はないのかもしれない。この作品はわたしたちが現在進行形で進める生活を最大の苦言と希望を持って警告している。発表されたのは昭和47年。私が生まれる10年前。この作品の最大の勧告を無視して、なおも都市は走り続けている。(以下、セリフは要約)

  1. ここにいるみんなと、このちっぽけな世界で、今あるものでやっていかなくてはいけないんだ
  2. 学校で習ったことは今まではいい点を取るためだけだったけど、これからは生きることそのものに直結するんだ
  3. 黙れ!僕は生きたいんだ!


翔の強さに感動した。

  1. 僕もみんなと泣きたかったけど、僕は総理大臣になったからみんなの前で泣く姿を見せるわけにはいかないと思いました
  2. 僕は人を殺してしまったからもうお母さんには会えないんだ!

たくさんの友達が、死にました。
たくさんの友達が、友達のために死にました。
たくさんの友達が、僕のために死にました。


身近な死を見せなければことの重大さに気付かないのは、人間の能力の限界さゆえ。バトルロワイヤルではないけれど、ぎりぎりの状態にならないと、周囲については全くどうでもいいのが人間です。それゆえ今はみな「自己」にこだわっているのです。


それでもなによりもこの世界で生きていこうとする相手のいることはいいものです。それゆえ、憎み、裏切り、殺し、信頼しあう関係が生じるのです。翔の母が翔を想うのも、咲っぺが翔を想うのも、大友君が翔を殺そうとするのも根源は愛です。愛は諸刃。万能なものなど一つもないのです。平和ボケした頭に1発いかが?恐怖ほど身体に訴えかけるものはないでしょう。

たのしいHPにトリップするもあり
http://www.jah.ne.jp/~oshi/hyokyo/index.shtml